COLUMN
第24話 半田山の巨人(おおおとこ)
むかしむかしのことでありました。
半田山のことを、人々は
かすみの山
かすみ山(ざん)
まるき山(やま)
まるた山(やま)
などと呼んで親しんでおりました。
そのうちのいくつかは、今も口伝えに生きております。
この半田山に巨人が住んでおりました。巨人でありますから、力もものすごく持っ
ておりました。
ある日のことでありました。
ぼんやりと、まだ出来てまもない信夫の里を見おろしておりましたが、
「なんだって広いどごでぎだもんだなあゃ。こだん広いどごの、まん中あだりさ、
おらの兄弟の山っこ一っつくれえあったってもわりぐはあんめえ。」とつぶやきます
と、すっくと立ち上がりました。
半田山の方にうでをのばしまして、わきの方を二すくいほどすくいとりますと、そ
れを、ギューッとにぎりまして、信夫の里のまん中まで持って行きまして、「ドサー
ッ、ドサーッ」とおいたのでありました。
「あんまり兄弟分の山どしてはでっかぐねえげんちょも。これでまずよがんべ。」
といってできましたのが今の信夫山であります。また、そのとき、指のあいだから、
『パラパラッ』とこぼれたのが、一ぱい森だの、石が森だのでありました。
大男が、そこここにいて、こんなふうにして山をつくったというのは、ほんとうに
むかしむかしの話であります。
「半田山と、信夫山の土や石や岩のようすは、だからそっくりにているんだと。」
とか、
「半田山も、信夫山も一ぱい森も松が多いのは、あとで巨人が持っていってうえた
からなんだど。」なんていうこともかたられております。
そういえば、半田山と信夫山は向かいあって、いつも兄弟のようにしているように
も見られます。
信夫山にも、半田山にも、巨人の足あとが、山はだに今でも残っているそうであり
ますが、よほど大きなものでありましょう。
むかしむかしのはなしであります。
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